角万年筆
水牛の角は、まるで自然が生み出した芸術作品のようです。深い黒一色のものから透明感のある白まで、光の加減で変わる美しい模様を持ち、一つとして同じものはありません。手に取ると、滑らかな質感と適度な重みが心地よく、長時間の筆記でも疲れにくい特徴を持ちます。
また、水牛の角は静電気を帯びにくく、耐久性にも優れており、経年変化を楽しめる素材です。使い込むほどに味わいが増し、筆記具以上の価値を持つ一本となります。角の表面が放つ光の反射はとても柔らかく、しっとりと濡れているような不思議な輝きを持ちます。天然の有機素材でしか生み出せない風合いは人の体に優しさと心地よさを感じさせます。

"水牛こそが財産"

これはベトナムで昔から言われている言葉です。農耕文化のベトナムにおいて、水牛は他の動物より身近で特別な存在です。労働力として大切に育てられる水牛はベトナム人にとって大事なパートナーでもあるように、私たちが作るペンも同じように特別な存在でありたいと願っています。
軸素材となる水牛角は適正な手続きに則って仕入れを行っております。

ベトナムの象徴
人類の歴史において、様々な動物が生活のパートナーとしてともに歩んできました。ベトナムにおいては国家が成立する以前より、水牛が人々の重要な存在であったのです。それはドンダウ遺跡で発見された3500年前の水牛の彫像や、ベトナム芸術で描かれる水牛の存在からも見て取れます。一般的に犬が人間の友達であるとしたら、ベトナム人にとっては水牛がもっとも信頼できる仲間であるといえるのです。
ワンチャーでは高い水牛角の加工技術を持つベトナムの熟練職人と協力し、美しく、ベトナム文化を尊重した万年筆を作りたいと考えました。