
廣田漆
漆芸家廣田洋子氏による作品
廣田漆は漆芸家廣田洋子氏が手掛ける漆作品です。 廣田氏の作品は他の漆器には無いユニークなデザインと技法が特徴です。

廣田の技法
廣田氏が使用する技法はいくつかありますが、主に櫛目堆漆塗、金箔、石目堆漆塗、金彩ひび塗の4つの技法が使われています。
櫛目堆漆塗
Kushime Tsuishitsu Nuri
堆漆塗は一般的な漆の層を重ねて板にしたものを加工する「堆漆」とは異なり、廣田氏が独自に生み出した技法です。 漆に卵白を混ぜることで粘りを出し、厚みのある漆を塗ることが出来ます。 ヘラや櫛歯をつかって厚みのある漆を塗りながら凹凸のある模様を描く塗・加飾が廣田氏の代表的な漆芸です。
金箔
Kinpaku
金を金槌で叩いて薄く延ばした箔を表面に貼りつけて美しく仕上げる技法です。 万年筆のように小さく、また全体が曲面になっているものに綺麗に貼るためには高い技術力を必要とします。
金彩ひび塗
Kinsai Hibi Nuri
ひび塗は変わり塗技法の一つです。 漆の乾燥過程で卵白を塗ることで、漆面に小さなひびを浮き出せる塗り方です。 乾燥時の環境によってひびの入り方が異なるため、黒漆の下から覗く金彩模様は人為的に再現できない、自然による芸術的なデザインです。
石目堆漆塗 蒟醤
Ishime Tsuishitsu Nuri Kinma
石目堆漆塗蒟醤は廣田氏の堆漆塗と香川漆芸の1つ蒟醤(きんま)を組み合わせた作品です。 堆漆塗を叩いて石目にしたあと、描き蒟醤と呼ばれる技法で模様を描き、漆をかけて平面に研ぎ出しました。
廣田コレクションは1本1本時間をかけて完成されます。入荷数も限られるため、どれもが希少な作品です。
廣田洋子氏について
小学生の頃から伝統工芸に興味を持ち、漆芸家の道を進んだ廣田氏は、漆工芸の伝統と作品作りに情熱を注ぎました。
現在では30年以上に渡り漆芸や蒔絵の製作に携わっています。廣田氏の作品はスタイリッシュでありながら必要最低限、そして耐久性に優れている点にあります。毎日の食事に使う箸であれ、宮殿で使用されるような装飾品であれ、長く使える日本の芸術的美学を表現するものでなければならないのです。
