日々新しい発見がある現代において、世界樹コレクションは過去を振り返り、原点を思い出させてくれる存在です。銘木といわれる木はいくつもありますが、古代ギリシャにおけるオリーブの木のような象徴性と日本の精神性を組み合わせたより素晴らしい作品作りを試みました。「世界樹・藍」はオリーブの木をベースに、日本の生活や文化に密着した伝統的な藍で染め上げました。


1本ずつ丁寧に染められた「世界樹・藍」は、木の部位や気温などの環境によって仕上がりの青も同じ色にはなりません。藍染による染色は一般的な塗装とは異なり、染液に浸けてしみ込ませ酸化させることで発色します。そのため、木目といった木の風合いを損ねることなく、まるで木そのものが青であったかのような自然な仕上がりになります。
藍染の魅力と背景
藍染は日本の伝統的な染色技術で、その深い青色は「ジャパンブルー」として世界的に知られています。江戸時代には藍染の濃紺色が「勝ち色」として武士に愛され、縁起の良い色とされてきました。もちろん、庶民の暮らしにも藍染は深く浸透しており、衣服から雑貨に至るまで身近な存在として愛されています。

世界樹万年筆への藍染加工は、黒田官兵衛や福沢諭吉ゆかりの地として知られる中津市の藍染工房にご指導いただき完成しました。江戸時代から継承されてきた藍染の技で木を染め上げる。藍染は染める時期の環境によって染め上がりの風合いが異なります。ベースとなるオリーブウッドの魅力を損なうことなく、魅力的な藍色に染まった世界樹万年筆は、手に取るたびに自然の息吹と伝統の美しさを感じられるはずです。