ナムジャイ漆

「内に秘めた優美さを引き出し、目の前の紙に映し出す――Nam Jai 漆万年筆。」

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概要

白砂のビーチ、活気あふれる首都バンコク、古くからの寺院、そして数千年にわたる多様で豊かな歴史で知られる東南アジアの国、タイ王国。この国には、「芸術」というものへの愛と敬意が息づいています。このことから、私たちワンチャーは次なる目的地として、インスピレーションを求めタイへ行くことになったのです。
文化や伝統に触れる中で、「ナムジャイ(Nam Jai)」という言葉を教えていただきました。直訳すると「心から流れる水」を意味し、もてなし、寛大さ、協調と理解、そして何よりも「思いやり」を象徴する言葉です。タイを離れた今も、この表現を私たちは心に深く刻んでいます。そして、この思いを込めて誕生したのが「Nam Jai 漆シリーズ」です。このシリーズは、タイの著名な漆職人Auscharaporn Klamkluan氏とのコラボレーションで生まれました。彼女は現在、ラチャモンコン大学のPor-chang校で講師を務めると同時に、ブランドのMAMA Styleのオーナーとしても活躍しています。

タイ漆とは?

タイの漆芸には、ロン・ラック・ピット・トン、プラダップ・クラチョーク、クルアン・コーンなど、数多くの独特な技法がありますが、このコレクションの主役は「ライ・ロット・ナム」技法です。この技法は「金箔を施した黒漆」という意味を持ち、黒漆に金箔を載せることで、万年筆や花瓶といったアイテムに優美なデザインを施す伝統的な技術です。今日もこの「ライ・ロット・ナム」作品をタイ全土の仏教寺院や宮殿で数多く目にすることができます。

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この技法では、まず対象物(この場合は万年筆)に複数回にわたって黒漆が塗り重ねられます。その後、漆面にナンヤ・ホラダン(三硫化ヒ素を含む液体)を使って下絵を描きます。 ナンヤ・ホラダンが乾いたら全体に漆を薄く塗布し、まだ湿った状態のうちに金箔を丁寧に貼り付けます。24時間ほど経過した後、アーティストがナンヤ・ホラダンを優しく洗い流すことで、黒漆に映える美しい金の模様が姿を現します。このため、技法の正式名称は「ライ・ピット・トン・ロット・ナム」(「水で洗い流した金箔のデザイン」)と呼ばれています。

散華

「散華」のデザインは、仏教における「散華(さんげ)」の概念から着想を得ています。タイの人口の90%以上が仏教徒であり、仏教はその歴史と文化全体にわたって深く根付いています。「散華」のモチーフは、仏陀の誕生、瞑想、悟りの際に、神々や天使が仏陀を礼拝し、花を捧げる姿を表現したものです。

花の先端が常に下を向いているのは、仏陀への謙譲と敬意を表すためです。この伝統的なデザインは、何世紀にもわたりタイ全土の職人たちに影響を与え続けてきました。そのため、寺院を訪れて内部を目にすると、「ナムジャイ(Nam Jai) 万年筆」と似たデザインを目にするかもしれません。

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波を見ていると、一波一波に始まりと終わりがあるように見えます。それぞれの波を比べたりして、あの波の方が大きかった、きれいだった、小さかったなどと言ってみる。そうやって眺めてるのも大事かもしれませんが、時には波に実際に触れてみて初めて分かる、私たちの存在感、そして落ち着きと喜びを感じることができます。

仏陀の教えの中で、生と死の概念が海の波に例えられたことがありました。それぞれの波を個々の生命と考えたとき、その始まり、中間、そして終わりは明確に見て取れます。しかし、波を底知れぬ大海の一部と捉えるならば、その始まりは見分けられず、人間が目視できる終わりも存在しないのです。

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悠久の波


万年筆はただの筆記用具かもしれません。しかし、感情を乗せ、幸せを感じるものなのです。

「散華」のように、ナムジャイ漆・悠久の波 万年筆はタイの主要な宗教の仏教からインスピレーションを受けて作られています。諸行無常の精神のように、過ぎ行く時間に悲観するのではなく、日常の小さなことに幸せを感じる。そんな思いを込めた万年筆です。

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Auscharaporn Klamkluan氏によって「ライ・ロット・ナム」技法で作られたこの万年筆をぜひ手に取ってみてください。

ナムジャイ漆