京都漆・かさね色


かさねの色目
建築や芸術あらゆるものが洗練され、日本独自の文化が発展した平安時代。この時代は紫式部や清少納言といった有能な女性が活躍した時代でもありました。宮廷や貴族に仕える彼女たちは高い教養はもちろんファッションセンスも必要とされ、華やかな女房装束、いわゆる”十二単”が完成したのもこの時代です。
十二単は袿(うちき)と呼ばれる衣服を何枚も重ねた装束で、それぞれの衣服も「かさねの色目」とよばれる色の組み合わせを用いて季節や品格を表していました。かさねの色目で場に応じた装いをすることは当時の女性にとってマナーであり、センスを問われる重要なことだったのです。

建築や芸術あらゆるものが洗練され、日本独自の文化が発展した平安時代。この時代は紫式部や清少納言といった有能な女性が活躍した時代でもありました。宮廷や貴族に仕える彼女たちは高い教養はもちろんファッションセンスも必要とされ、華やかな女房装束、いわゆる”十二単”が完成したのもこの時代です。十二単は袿(うちき)と呼ばれる衣服を何枚も重ねた装束で、それぞれの衣服も「かさねの色目」とよばれる色の組み合わせを用いて季節や品格を表していました。かさねの色目で場に応じた装いをすることは当時の女性にとってマナーであり、センスを問われる重要なことだったのです。

躑躅ひとえ
雪の下、花薄、卯の花、梅の4色はそれぞれにおいても美しい作品ですが、4本そろえるとまさに五衣の色目ともいえる配色になります。「躑躅ひとえ」と呼ばれるこの色目は夏の装いで、春から夏にかけて咲くつつじの花の色と鮮やかな葉の色を表現しています。
卯の花と雪の下の色合いは、漆の持つ特性により他の2色より複雑な工程で作られています。