廣田漆

漆芸家廣田洋子による作品

廣田漆は漆芸家廣田洋子が手がける漆作品です。悠久の歴史に彩られた九州の風土に育まれた女性ならではの感性を活かしたデザインと漆の伝統技法が融合した作品が魅力です。

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1. 廣田洋子の技法

櫛目堆漆塗、金箔、石目堆漆塗、金彩ひび塗の4つの技法のほか、伝統技法にも精通しています。

櫛目堆漆塗

くしめついしつぬり

天然漆を幾重にも重ね塗りする「堆漆」の伝統技法を発展させ、独自に編み出した技法が「櫛目堆漆塗」です。
漆に卵白を混ぜることで粘りを出し、ヘラや櫛歯を使って凹凸のある櫛目文様をくっきりと表現します。
この技法は、(社)日本工芸会正会員である漆芸家廣田洋子の代表的技法です。

金箔

きんぱく

光が透けるほど薄い金箔は、金を金槌で叩きながら延ばして作ります。
その金箔をさらに高度な技術力を用いて、ムラなく万年筆の軸である小さな曲面に貼りつけていく技法です。

金彩ひび塗

きんさいひびぬり

金彩ひび塗は「ひび塗」という変わり漆塗で金箔や金泥の金彩を浮かび上がらせる技法です。
ひび塗は漆を塗った後に卵白を塗って、たんぱく質と漆を反応させ、漆面に小さなひびを浮き出させます。
乾燥時の環境によって、ひびの入り方が異なるので、ユニークな文様を作り出せます。

石目堆漆塗 蒟醤

いしめついしつぬり きんま

石目堆漆塗蒟醤は堆漆塗と香川漆芸のひとつである蒟醤(きんま)を組み合わせた作品です。
堆漆塗を叩いて石目にしたあと、描き蒟醤と呼ばれる技法で模様を描き、漆をかけて平面に研ぎ出しました。

廣田コレクションは1本1本時間をかけて完成されます。
入荷数も限られるため、どれもが希少な作品です。

2. 錆塗

人生において完璧というものはなく、ひとつひとつ手作業で仕上げる漆芸作品も同様です。しかし、その不完全さこそが作品の美しさをより際立たせるものであり、漆芸家廣田洋子の作品にも表れています。今作の錆塗は錆漆と呼ばれる生漆と砥の粉(とのこ)を混ぜたペースト状の漆を使って仕上げた作品です。

様々な漆技法を用いた作品を生み出してきた廣田洋子ですが、櫛目堆漆塗やひび塗といった凹凸のある作品が多いのが特徴です。錆塗もまた網目状の凹凸があり、美しく磨かれた光沢のある漆器とは異なる味わい深い作品に仕上がっています。

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廣田漆-錆塗万年筆はキャップから胴軸に至るまで、ユニークでふたつとないデザインの万年筆です。この独特の凹凸と手触りを体験できるのは、この万年筆を手にすることができた持ち主、ただひとりだけなのです。

3. 茶碗色

廣田洋子は日本を代表する漆芸家のひとりで、これまで高い熟練度を要する伝統技法の基礎の上に革新的な創造を積み重ねてきました。漆工芸の可能性を広げ技術発展に貢献されております。
今回展開する『茶碗』シリーズは、まさに日本の心「詫び寂び」の真骨頂の作品になります。 茶道茶器としての『茶碗』をイメージしたもので、抹茶茶碗の釉薬が描く美しいグラデーションを、万年筆一本一本に見事に表現されています。

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日本が世界に誇る伝統文化「茶道」。
おもてなしの心や茶道具の美しさ、そして礼儀作法などの日本らしい魅力に溢れています。その作法のひとつとして茶碗を鑑賞する所作があります。茶室内で季節感を演じる茶碗の”詫び寂び”に感銘を受け、万年筆として漆塗りで表現できないかを漆芸家廣田洋子は探求してきました。
細部までこだわり抜かれたとても完成度が高い作品です。どうぞ、いつまでも眺めたくなる普遍的な日本美であなたの空間を素敵なものにしてください。

4. 金箔蒔絵

吉祥を招く : 蒔絵が紡ぐ物語

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作品の特色

漆芸家廣田洋子の世界を金箔蒔絵で表現した万年筆のシリーズです。
漆芸家でありながら、金箔蒔絵も手がける廣田ならではのたおやかな筆使いが、吉祥を招く植物たちの生命力にあふれたしなやかな美しさを伝えてくれます。

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5. 廣田洋子プロフィール

九州唯一の(社)日本工芸会の正会員の女性漆芸家です。約150人といわれる漆芸家のなかで女性の漆芸家は少ないながら、廣田洋子は存在感を示している作家のひとりです。
廣田は制作物のイメージにあわせて、伝統技法や独自技法で数々の名品を世に送り出してきました。
水洗いできる日常品から洋食器などにも活用できるおもてなしの漆器まで、新しいタイプの漆器の誕生です。

廣田漆