金箔蒔絵
吉祥を招く : 蒔絵が紡ぐ物語
作品の特色
漆芸家廣田洋子の世界を金箔蒔絵で表現した万年筆のシリーズです。
漆芸家でありながら、金箔蒔絵も手がける廣田ならではのたおやかな筆使いが、吉祥を招く植物たちの生命力にあふれたしなやかな美しさを伝えてくれます。
自然の詫び寂び
日本人の持つ美意識のひとつに「詫び寂び」があります。
「慎ましやかな美しさ」を意味する「詫び寂び」をこのシリーズでは「あるがままの自然そのものの美しさ」と捉え、金箔蒔絵の万年筆に仕上げました。
モチーフは漆芸家自らが庭で育てた、吉祥をイメージさせる植物たちです。
みずみずしい植物文様に、故郷大分の自然に磨かれた廣田洋子の感性が光ります。
白の梅
中国大陸から渡来した白梅は、万葉集に数多く謳われるほど愛されてきた花です。
別名「春告草」。その名のとおり、厳しい寒さに耐え忍びながら蕾をふくらませ花を咲かせます。
また梅は、中国の人々が好む「四君子(蘭、竹、菊、梅)」のひとつで「強靭さ」を意味します。
そんな白梅の花に「粘り強い人」のイメージを重ね合わせ、金箔蒔絵の万年筆を制作しました。
ヘデラ(アイビー)
ヘデラは観葉植物「アイビー」の別名です。
蔓を伸ばしてグングン成長するヘデラの花言葉は「永遠の愛」「友情」「不滅」などです。
「人とのつながりは永遠に不滅でありたい」という願いが込められた花言葉を持つヘデラを万年筆のモチーフに選んだ理由は、どんな環境下でも「人とのつながり」を結ぶ筆記具でありたいという漆芸家の願いを込めました。
万両
冬でも緑の葉に赤い実をつける「万両」は、日本のお正月の縁起物として親しまれています。「両」とは明治時代以前に使われていた通貨の単位で、「万両」は豊かな富を象徴します。
この万年筆を選ぶ方に「常盤木の持つ生命力と豊かな富の象徴を」との思いを込めて仕上げました。
椿
椿は平安時代に邪気払いの卯杖(うづえ)の材料に用いられていた神聖な木です。
冬でも緑の葉を保つ常盤木であり、椿の花は茶花としても愛されてきました。また枝のついた椿の文様を「枝椿」もしくは「椿の枝折文様」といい、冬着物の柄などでも馴染みの愛され柄です。
ちなみに、赤い椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」「謙虚な美徳」です。そんな花言葉のイメージを託して、エレガントな万年筆をお届けします。
インスピレーション
作品に絵を描くときのインスピレーション、それは茶道における「わび」が求める美の世界から生まれます。 無駄を極限まで省いた「わび茶」という小さな茶の湯の世界。廣田洋子は「わび」の精神を自身の庭の中に求め、小さな世界にある生命ひとつひとつを拾い上げることで作品のモチーフへ昇華させています。
廣田漆・金箔蒔絵 Hirota Kinpaku Maki-e
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