八雲塗とは

ワンチャーのドリームペンに、幻の漆塗りといわれる八雲塗が加わりました。 八雲塗とは島根県松江市で生まれた塗技法で、下地の上に色漆や金粉などを用いて紋様を描き、透漆で仕上げます。 経年変化で透明感が増すという透漆の特性を活かし、描かれた紋様が鮮やかに浮かび上がってくる変化を楽しめることが特徴です。 八雲塗の歴史は比較的新しく、明治時代初期に松江の塗師・坂田平一によって創案されました。
島根県といえば出雲大社が有名ですが、その出雲の神話に出てくるヤマタノオロチを倒したスサノオノミコトが詠んだ日本最古の和歌「八雲たつ」から名付けられたとされています。 今作は八雲塗を手掛けるうるし職人長屋桃子が新しい八雲塗を目指して仕上げた作品です。
紋様デザイン
流紋塗(りゅうもんぬり)
水に漆を垂らして対象物に写し取る、いわゆる”マーブリング”による加飾法です。 漆を垂らす量、場所によってひとつひとつ紋様が異なり、写し取るまで仕上がりがわからないそれぞれが唯一無二のデザインです。





紋漆(もんうるし)
金属粉で紋様を描き、上から漆を塗って研ぎだしました。 金属粉ならではのメタリックな輝きはどこか近未来的な印象を受けます。
紋漆(もんうるし)



八雲塗・紋うるしは在庫あり、八雲塗・流紋は予約商品となります。
予約商品は2025年4月頃の入荷予定です。
白檀
文字が生まれる遥か以前から、様々な神の存在が神話として語り継がれてきました。特に日本神話においては八百万の神といわれるほど多く存在し、宇宙のあらゆるものに神が宿るという概念は、人々にとって神々が崇拝の対象でありながらも身近な存在として共存してきたことを示します。
例えば、出雲の国造りの神として知られる大国主は、人々に農耕や薬を授けました。そして天照大神へ国譲りに際し、自らは「目に見えない世界」つまり幽界を司る神として出雲大社に祀られることになったのです。
神々はまるで戯れのように人々へ知恵を授け、奥深い世界へ誘います。それは、幾重にも塗り重ねることで深みのある美しさを生み出す漆塗技法にも通じるものがあります。その幻のように朧げな美しさは、時を経るごとに八雲塗らしい鮮やかな色彩へと変化し引き立てます。


漆塗で要求される技術のひとつに”薄さ”があります。漆塗は薄く、均一な塗と研ぎを重ねることで美しい漆器に仕上がります。下塗りや中塗り、上塗りといったそれぞれの工程に合わせた漆を使うことで様々な漆塗技法が生まれるのです。
白檀塗とは?
数ある塗技法のひとつである白檀塗は、金箔や銀箔を貼った上から透漆を塗り重ねる技法です。塗りたての透漆は白檀の飴色に似ていることから名付けられたとされています。白檀塗の特徴は、経年変化で漆が明るく透明になり、金箔や銀箔が浮かび上がってくるということです。今作では下地に色漆を用い、金箔を散らしたり重ねたりした上から透漆で仕上げています。
仕上げた直後は暗く下地の色合いはわかりにくいですが、1か月、2か月と時間が経つごとに透明度が増し、色漆の鮮やかな色合いが引き立ちます。いつまでも楽しんでいただける作品です。
うるし職人 長屋桃子
長屋桃子 略歴
島根県松江市生まれ。 神奈川美術工芸大学卒業後、会社員と作家の兼業生活を経て、出雲市に工房を開設。 地元の伝統工芸である八雲塗の存続、発展を目指し、従来の伝統的な八雲塗だけでなく時代に沿った作品作りに取り組む。 今回のコラボレーションはワンチャーの理念と長屋さんの八雲塗への思いがマッチすることで実現しました。 ワンチャーの万年筆で伝統的な八雲塗の魅力を世界中に広めていけると信じています。